逮捕
逮捕されると、警察官から厳しい取調べが行われます。逮捕から72時間以内に、検察官が事案を考慮して、
取り調べのための拘束を続けるよう裁判官に請求するかどうかを決めます(勾留請求)。
勾留されない場合には釈放されますが、その場合でも裁判になる場合もあります(在宅起訴)。
勾留
検察官が勾留請求すると、裁判官が被疑者の言い分を聞いたうえで(勾留質問)、被疑者を勾留するかどうか決めます。
勾留は原則10日以内ですが延長も可能なので、最大20日間警察署に留置され、警察官、検察官から取調べを受けます。
起訴・不起訴
検察官は、裁判官が認めた勾留期間が終わるまでに(最大20日間)、起訴するかしないかを判断します。
不起訴になれば釈放されますが、起訴されれば、勾留は継続され(但し、保釈制度があります)、刑事裁判で有罪とされれば刑罰を受けることになります。
とりあえず弁護士に相談したい場合には、「当番弁護士」という制度があり、原則として、1回に限り無料で弁護士と面会できます。
福岡県弁護士会所属の弁護士は、毎日交代で、逮捕された被疑者やその家族からの呼び出しに応じて接見に行くため、待機しています。
突然逮捕されたり、刑事責任を問われている人は、警察官や検察官という強大な国家権力から責められる、非常に弱い立場に立ちます。
「弁護人」は被疑者、被告人の味方になって権利を守るために活動する弁護士です。
被疑者及び被告人、その家族等はいつでも弁護人を頼むことができます。
(1) 逮捕・勾留中いつでも立会人なしで接見(面会)できる
逮捕後・勾留前は外部の人と接見できませんし、勾留後であっても事件の内容によっては、外部の人との接触を禁じられることがあります(接見禁止)。
このような場合でも、弁護士であればいつでも、立会人なしで被疑者、被告人と接見をすることが可能です。
(2) 被疑者、被告人が自らの権利、刑事手続きの流れを正しく理解できる
被疑者、被告人には、警察官や検察官からの質問に対し、ずっと黙っていたり、言いたくないことは言わなくてもいい権利(=黙秘権)が憲法上保障されています。
弁護人から、被疑者、被告人や、刑事手続きの流れなどの説明を受けることにより、自分の置かれている立場、状況を正確に知ることができます。
(3) 身体の解放に向けた活動ができる
被疑者を「勾留」するためには、検察官の「勾留請求」に理由があることが必要ですが、
もし、その理由がない場合には、裁判所の勾留決定に対して異議を申し立て、釈放を求めることも可能です。
また、不当に勾留期間が長い場合には、身体拘束の期間が短くなるよう、弁護人が検察官、裁判官に働きかけることもあります。
また、起訴後は、裁判が終わるまでの間身体の拘束を解いてもらう「保釈」を裁判所に請求することが可能な場合もあります。
(4) 被疑者が起訴されないように活動する
身に覚えのない事件や軽微な犯罪の場合には、事件を起訴するか否かを決める検察官に対し、起訴しないよう意見を述べたり説得したりすることもあります。
(5) 早期に示談交渉ができる
被害者がいる事件の場合であっても、身体を拘束されている被疑者、被告人は、直接謝罪したり、被害の弁償をすることが困難です。
そこで、弁護人が代わりに被害者に連絡し、示談交渉することが可能です。
早期に被害者と示談することにより、早期に釈放されたり、不起訴処分になったりすることもあります。